2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

本家サイトMacrocosm更新、少しずつ変わってます。まだまだです。

いろんな本屋さん、Amazonへの個々のリンクを張りました。Amazonへのリンクは正直なところお小遣いになれば嬉しいですが、それよりも在庫や、古書相場の確認とか書評が一応、すぐに確認できるところが大事だと思っています。それにしても朝日出版社の『ヘル…

第22回 錬金術の叙階定式書 第5章(5)

ときに人間のもつ素質の力が医者の術なしに病を克服させることもあるが、疾患の進行を遅らせたり、医者の対処なしにはもはやどうにもならなかったりといった多くの場合に、医者の処方は賞賛されるものである。しかし、ことは我らの鉱物の医薬に関しては異な…

本家サイト更新

終了している翻訳をふたつUPしました。 >>『いとも貴き神よりの賜物』The 'Donum Dei >>『院長クレマーの告白』The Testament of Cremer 2002〜2003年頃のサイトトップ。錬金術はサブコンテンツでした。[Alchemy]を押すと、 この頃、地・水・風・火の4項目…

本家サイト工事中

しばし放置状態だったサイトをいじっています。 かなりシンプルになった感じ……。 というか、こちらのブログで書きためたものを置く倉庫になりそう。 Macrocosm:錬金術とヘルメス哲学の総合研究まだまだ中身までは手が回ってませんが、普段使う書店のリストと…

第21回 錬金術の叙階定式書 第5章(4)

この原理の事例は、ただ緑の樹木を火にくべるだけで得られる。乾いた重厚の物質に「冷」が影響すれば黒が現れる。重厚さは、軽やかさの不明瞭および欠如の原因であり、色の非存在は黒だからである。引き締まって濃密な物質は「冷」の影響下に生命の破壊に瀕…

人工知能のあれこれ

マーヴィン・ミンスキー『心の社会』:人工知能研究の第一人者による有名な良書なので詳細な内容紹介は省くけれども、「心」という無定型のとらえどころのない不可思議なものを、あるていど厳密に定義、解明できるかもしれない視点を提起している、けっこう…

《クオリア》にかんする覚え書き

一般的な情報と問題点あるいは「現象的意識」(Wikipedia) 哲学的な思考実験の材料としても面白いとは思うけど、ある種の疑似科学につながる傾向があるのも何となく解る気もする。純粋に科学できるかどうかについて、まだまだ問題があるようですね。個人的に…

第20回 錬金術の叙階定式書 第5章(3)

さて、斯術の探求に余念なき汝に語ろう。変成に向けて物質が調合されたならば、それを四元素に分離し、分割せねばならない。もしこれができないのであれば、汝はこの点について比類のない論考をものしているホルトゥラヌスの著述にあたるがよい。この書のな…

第19回 錬金術の叙階定式書 第5章(2)

両替商であったブリセウス*1は多くの人々に損失をもたらしたが、他方ではその取引を悦び、これを満足の源とする者達もいた。当時は、誰もがこうした出来事を耳にして不思議さに驚きを禁じ得なかったものである。そうした時代からさして時は隔たっておらず、…

第18回 錬金術の叙階定式書 第5章(1)

カゼをひいて数日ねこんでしまいました。 大きなケースに入った天秤を前にして、月と太陽の象徴をもてあそびつつ、蒸留器の前であくせくと働く召使いに指示をとばす術師。そういえば、以前書いたエントリー、「マイヤー『黄金の鼎』のイラスト」でも大きな天…

第17回 錬金術の叙階定式書 第4章(4)

術に必要となる種々の鉱物については、アルベルトゥスが完全な吟味を遺しているところであるので私が繰り返す必要は無かろう。ここではむしろ鉱物の特性について記したいところだが、まずは我らの術の進捗において、不毛なる結果をまねくことを明らかにしよ…

第16回 錬金術の叙階定式書 第4章(3)

多くの場合、愚かな学徒はこの点に於いて混乱をきたし、アナクサゴラスの言辞の真実であったことを証明することになる。曰く、何人もまた耐え難き経験から思慮分別を身に付けねばならぬ。昨今、この不潔な作業が潔癖な人士の手を汚すことのないように、純粋…

第15回 錬金術の叙階定式書 第4章(2)

充分な食餌と飲料が与えられたときには、眠りを欲する物質を看護する必要がある。我らの仕事は細心の注意のもとに不寝番を必要とし、それは栄養価の高い滋養によって育まれねばならない。「故に、いかなる貧しき者にもこの作業を慎ませよ。斯術は世の富める…

第14.5回 錬金術の叙階定式書 第4章(番外)

第4章の前には以下のイメージが置かれています。 かなり見にくいですが錬金術の達人たちが、仕事場へと指示を垂れている様子。左からヘルメス(言うまでもなくトリツメギストゥス)、アル・ラージィー(ラーゼス)、アルノー・ド・ヴィラノヴァ(本文では英…

第14回 錬金術の叙階定式書 第4章(1)

はい、ひとつき経ってしまいましたが生きております。ハイ。 ということで第4章スタート。 偉大なる作業の詳細を説くと私は約した。その責務から逃れようとは思っていない。汝に真実を伝道せんとあらゆる尽力を向け、あたう限り完全に奥義を導こう。誓約の損…