2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第28回 錬金術の叙階定式書 第5章(11)

また匂いの感覚もまた、支配的な元素を認識するにあたっての指標を汝に与えるであろう。匂いは色が与える指標とともに、元素の結合における「第一動因」の探求を示唆する。白と黒のふたつが色の極致であるように、悪臭と香気は匂いの極限である。だがしかし…

第27回 錬金術の叙階定式書 第5章(10)

薬草の根は外側に冷たく内側に暖かであると医師らは言うが、この例証は香しい菫草(ヴァイオレット)を観察すれば明らかである。薔薇が内部に「冷」、外部に「赤」であるというのは一般的な自然学にもいわれる通りである。アナクサゴラスはその『自然変成』…

第26回 錬金術の叙階定式書 第5章(9)

さて、その性質について漸く汝に語る段になった。我らの術の過程に於いて現れる、さまざまな色彩の出で立ち現れる原因を汝に説こう。およそあらゆる物体の白さは透明度の結実である。黒さは、物体の密度が構成素を厚くして透明度を遮蔽する際にあらわれる。…

第25回 錬金術の叙階定式書 第5章(8)

元素の結合、あるいはその同化吸収については既に述べた。ここからは、我らが石の栄養摂取について説明を加えることにしよう。あらゆる段階に於いてもよく混合され、そして「乾」の働きで引き締まった均質の気質(ユーモア)というものが存し、このありうべ…

第24回 錬金術の叙階定式書 第5章(7)

さて、学識深くも四つの元素が結合し、事物の互いがそれ自身の適正なありようで整ったならば、我々は完全化に至るまでの煮沸の様々な段階のなかに、次々に連続して変化する色彩を目前にすることであろう。これは物質が自然の暖気にあおられて滾り沸くからで…

本家サイト、ちょっと更新

トップページのリンク先を少々増やしました。 まあ、その、ナンですよ。洋書検索とかしてると、ほんと良くいろんな書店がweb上に連絡網を張り巡らせているなあと。こういう点では日本の書店はまだまだというか、とくに古書だと、価格比較もふくめて、欲しい…

第23回 錬金術の叙階定式書 第5章(6)

さて、ここからは元素の結合についての吟味に移るが、この問題については以下の規範を策定することができる。まず(1)文法学的な結合をするにあたり、元素それ自体の有するしかるべき規則に則らねばならない。こうした規範というものは、学べる者の作業を…

サイト更新、まだまだ全然たぶん永久に……

『哲学者の薔薇園』と『新しい高価な真珠』それから、かつて当サイトで掲載していた色々な「駄文」の類を再UPしました。というか、切れていた(切っていた?)リンクを戻しただけという感じ。 『哲学者の薔薇園』は連作図版だけで、画像ファイルはサイトのデ…