★きまぐれ書覗
販売元は東京エムプラス。 神聖ローマ皇帝の侍医を務めたオカルティスト、ミヒャエル・マイヤーの"逃げゆくアタランタ"! マイヤー:逃げゆくアタランタ(1617)〜17世紀初期の音楽、錬金術と薔薇十字団 アンサンブル・プラス・ウルトラ〔グレース・ダヴィッ…
もう去年末あたりのことになってしまいますが、グスタフ・ルネ・ホッケ『迷宮としての世界』が岩波文庫に入って再版されました。 90年代、陰りが見えていたとは言え、まだまだ出版界は元気で、華やかな書籍をたくさん出していました。売れるの売れないの色眼…
この夏またチマチマと『風の谷のナウシカ』を読み通していて新たに面白いなあと再発見したのが、巻頭にあるカラーイラスト裏の解説地図とか設定メモ風のノートでした。…なんとなく各巻に色々とあるような印象でしたが、確認したら実は、5・6巻の「ムシゴヤ…
久しぶりに人文書院のサイトを除いてみたら、長期品切本復刊がアツいことになっている。・レヴィ 高等魔術の教理と祭儀 教理篇 祭儀篇 単体で魔術書として信奉するひとはソウいないとは思いますが、19世紀の主にフランス文学(ボードレールとかマラルメとか…
マーヴィン・ミンスキー『心の社会』:人工知能研究の第一人者による有名な良書なので詳細な内容紹介は省くけれども、「心」という無定型のとらえどころのない不可思議なものを、あるていど厳密に定義、解明できるかもしれない視点を提起している、けっこう…
他人から夢の話を聞かされるほど退屈なものはないし夢のことを語って納得できたためしもないので、こうしたことは自ら禁じているけれども、今どうもその禁を犯さないと話が進まないようだ。よく間取りの夢を見る。マドリというよりもある建物空間が自分にと…
先日の記事「第10回 錬金術の叙階定式書 第2章(4)」でうっかり「術者のメンタリティの問題を悪魔に帰する心理学は……」などという書き方をしてしまったが、ちょっと性急だったかもしれない。そもそも悪魔ってのは何だろうかと。ふつうに辞書で【悪魔】と…
正月ってのは、自分の意志に関係なくいろんなところに付き合わされたりすることが多く、『万物理論』を手に取ったのも、出先で空いてしまったマを埋める、なんでもいいから活字が欲しかっただけのことだった。あんまりSFの良い読者というわけでもないが、せ…
うかうか模型脳になっていると諸星大二郎『海神記』というマタ別のディープなしろものが到着、予約していた下巻が発売になって発送になったもんだろう。じつはこのブログ、検索ヒットがいちばん多いのはこの「海神記」というワードで、ずっと以前にちょっろ…
ちくまで『ヘルメス叢書』でも再刊されるんじゃないかなんて言っていたら、中世ヨーロッパの寓意大全たる『薔薇物語』が文庫化された。当時の自然哲学にもとづいた記述も満載だから、錬金術文学としてもかなり高名な書物である。こんなものが8/8に文庫で発売…
『山海経』の妖怪画をコラージュの材にする逆柱いみりのような漫画家が、どうして錬金術寓意から題材を得ないんだろうという疑念がフとよぎるが、そんな繋がりは見えずとも『象魚』『MaMa-FuFu』『ケキャール社顛末記』から、さいきんでは『赤タイツ男』やら…
で、おなじ反戦(?)ものとして並べてしまってはブチコワシ気味になってしまうだろうけど会田誠『ミュータント花子』をちょうど、ちょっと前にフランス語版で読んでヘンに感動したのを思い出し。猛烈なエロ&グロのオンパレードはいやまったく気持ちのいい…
窓を開ければまだ涼しい風のはいる午後なら、こうの史代『夕凪の街 桜の国』を読んでみるにちょうどいい。カバー背や帯にやたら感動的な推賞文がついていて(第9回手塚治虫文化賞、第8回文化庁メディア芸術祭大賞)、どうやらヒロシマ原爆ものなのはわかる…
■ルドルフ・シュタイナー『アカシャ年代記』国書刊行会 目眩のするような濃厚な詩想に支えられた宇宙論。20世紀初頭の神智学は伝統的オカルティズムを現代性へと対応させんと勤しんだ側面がつよい様子・・・だから昨今の、「宗教」と言うとヘヴィで気味の悪…
■リチャード・フラナガン『グールド魚類画帖』白水社 ひょんなことから博物学的な魚の絵を描くよう命じられた囚人が、急速に分類されてゆく科学観のなかで海洋生物たちの混沌に引きずり込まれていく。オーストラリア、タスマニアの歴史、その開拓期を背景に…
雨の合間にのぞきでた陽光を逃さず外出、シャツいちまいでバイクに乗れるのはココ最近では珍しく壮快だが、けっきょく入るのは本屋さんなのでまたじめじめ日陰ゾーンにどっぷりという流れが避けられない。気付いてみれば新刊が揃いのいい本屋ってのもあんま…