2006-01-01から1年間の記事一覧

ヤン・シュワンクマイエル『闇・光・闇』(1967〜1989短編集から)

ギィィィ・・バタン。クチャゥクチャッ・・バキッ、ビシッ・・っとすてきな音をたてて小部屋の中で人体パーツが動きまくる物質的感覚に充ちた恍惚の短篇。ひじょうにビターな風刺を突き付けてくるオチもまた最高。

フリッツ・ラング『死滅の谷』『M』『スカーレット・ストリート』

メトロポリス以降に関心がうろつき始めたドイツ表現主義とかその周辺それ以降、いやあ色々と観たいなあと思っていたがGoogleVideoに結構入っている。だいぶ昔に上映会なんかをやって何度もみているはずなんだが、当時はなんら理解できるところが無くそれでい…

パヴル・ヴェゲナー『巨人ゴーレム』1920 ドイツ 91分

ローベルト・ヴィーネ『カリガリ博士』1920 ドイツ 71分

ルネ・ラルー『ファンタスティック・プラネット』1973 フランス/チェコ 73分

手元にある短編集DVDがなんとも気に入っていて、不思議な味わいのある切紙アニメの手法を用いて巨大カタツムリに蹂躙される街を描いた『かたつむり』とか、マルグリット・ユルスナールの『東方綺譚』に入っている「ワン・フォは如何にして助けられたか」をア…

GoogleVideoにハマる

すごいぞGoogleVideo! ふるくて版権の切れたと思しい、貴重な映像群がたくさん観られる。いままでなかなか観られなかった&手に入らなかった映像/映画が保存もできるから、これからは酔いたい映像に煩悶せずいつでも浸れる・・・それはそれで、ヤバいこと…

フランシス・F・コッポラ『ドラキュラ』アメリカ1992,126分

洋画ファンが好きそうな役者がいっぱい出てたけど、ヴァン・ヘルシング教授をアンソニー・ホプキンスがやってて、ほとんど悪役に見えてくるくらい凄い。・・・みどころはそんなところか。いや、うーん、そうね、「ゴシック」の絵造りには気合が入っていた。…

市川崑・石坂浩二『悪魔の手鞠歌』

やっぱり金田一耕助シリーズは市川崑ー石坂浩二ものが好き。 最近また『犬神家』を石坂浩二で映画化したそうで、その関係でふるいのをTV放映、という流れですな。昭和初期とか、終戦直後の、暗い日本と、因習的かつ陰惨な、イナカの、ジケンが、もっとも濃厚…

オーソン・ウェルズ『審判』 フランス・イタリア・西ドイツ 1963 118分

『市民ケーン』と同梱のDVDを購入。とにかく大好きな映画で昔からビデオを持っていたんだがその都度どっかいっちゃってなかなか手元に在ってくれない、んでもってあるときなんかの拍子でどうしようもなくまた見たくなるモンだから始末に負えない。目眩のする…

フリッツ・ラング『メトロポリス』ドイツ1927,120分

巨大な未来都市メトロポリス。富裕層との決定的な格差社会のなかで、弱者は地下に住むことを余儀なくされ、地下巨大工場で都市を支える過酷な労働に従事させられている。ある日、支配者ジョセフ・フレーダーセンの息子フレーダーは、地下労働者のこどもたち…

古書買い

■ルドルフ・シュタイナー『アカシャ年代記』国書刊行会 目眩のするような濃厚な詩想に支えられた宇宙論。20世紀初頭の神智学は伝統的オカルティズムを現代性へと対応させんと勤しんだ側面がつよい様子・・・だから昨今の、「宗教」と言うとヘヴィで気味の悪…

古書買い

■リチャード・フラナガン『グールド魚類画帖』白水社 ひょんなことから博物学的な魚の絵を描くよう命じられた囚人が、急速に分類されてゆく科学観のなかで海洋生物たちの混沌に引きずり込まれていく。オーストラリア、タスマニアの歴史、その開拓期を背景に…

ハウルの動くやつ

TV放映があって、2度目。でもちょっと、私にはやっぱりだめだ、これは。恋愛観が年寄りじみていて朗らかさがない。老練、とでもいおうか、歳経たオトコギ満載なんだよな。でももうここには、『王と鳥』で、手をつないで無限にも思える階段を逃げまくった羊…

王と鳥

ポール・グリモー/ジャック・プレヴェール『王と鳥』「やぶにらみの暴君」改作 フランス 1955/1979 81分 タキカルディ国のシャルル16世は、生来の"やぶにらみ"そして"暴君"。肖像画を描かせても"やぶにらみ"のまま描いた画家を殺してしまう。ある夜、肖像画…

装甲騎兵ボトムズ【クメン篇】

テンションが高い! 終戦後のすさんだソドムとゴモラたるウドの街もそうだったが、灼熱の熱帯に展開する内乱という筋書きなど、まったくもってこのボトムズっちゅうアニメは、日本でなくては作り得なかったんじゃないかなあ、という感慨を禁じ得ません。前回…

装甲騎兵ボトムズ(公式サイト)ストリーミング映像は必見!

TV放映当時はたしかまだ小学生の低学年だったと思うから、複雑な背景と筋はほとんど理解できていなかったね。ヒーロー性がほとんどなく、徹底的に消耗品として扱われる、ひどく現実的なメカ・デザインが好きで、プラモデルはガンダムより熱狂してよく作った…

サミラ・マフマルバフ『りんご』1998 イラン 86分

かつて日本での上映にそそくさと足を運んだ映画、どうしても記憶に残る映像に、近年入手が難しいながらもなんとか探してやっと観られた。オートロックが故障して、早朝にマンションから閉め出されてた翌日にはふさわしい映画かもしれない(それはむしろ、ブ…

ヴェルナー・ヘルツォーク『アギーレ/神の怒り』1972 西ドイツ 91分

未開の自然の中で何かを実現させようと夢見る男の野望を主題にしてきたW・ヘルツォーク監督の代表作。黄金郷土エルドラドの存在を狂信するスペインの調査隊副官は魔の手の潜むアマゾンを邁進する。黄金郷を求めてアマゾン奥地へ踏み込んだスペインの征服者た…

ブラッド・ピット演『トロイ』2004 アメリカ 163分

ブラッド・ピット、オーランド・ブルームからピーター・オトゥールまで新旧のスターが共演したアクション超大作。紀元前のギリシャで起こったとされるトロイ戦争を題材に、トロイの王子パリスが、スパルタの王妃を奪ったことから、ギリシャ全軍がトロイを攻…

ピーター・ジャクソン『ロード・オブ・ザ・リング〜旅の仲間〜』2001 アメリカ/ニュージーランド 178分

ピーター・ジャクソン『ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔〜』2002 アメリカ/ニュージーランド 179分 ピーター・ジャクソン『ロード・オブ・ザ・リング〜王の帰還〜』2003 アメリカ/ニュージーランド 203分はい、観ましたよ。ひとから聞いて長いのは知っ…

シャーリーズ・セロン/クリスティーナ・リッチ演『モンスター』2003 アメリカ/ドイツ 109分

R指定なのは娼婦がどうのとかレズビアンの要素があるからとか、なにより救われない物語に若者は耐えられんだろうということなのかどうかな?なにしろ、やっと見つけた愛(それが友情だろうがレズだろうが)のために連続殺人鬼にまで堕してしまう決意を前にし…

大友克弘『スチームボーイ』2004 日本 130分

『AKIRA』(1988)で“ジャパニメーション”の表現力を世界にアピールした大友克洋による劇場用長編アニメ。製作期間9年、制作費24億円という大作だ。時は19世紀半ば、舞台は世界初の万国博覧会を控えたイギリス。少年レイは、祖父ロイドと父エディが発明した謎…

フィル・ダニエルズ演『さらば青春の光』1979 イギリス 115分

60年代の“怒れる若者たち”を描いた青春ドラマ。主人公の青年ジミーは、仕事や束縛を嫌い、グループの連中と遊ぶことだけが唯一の生きがいだった。しかし、彼のあこがれていたエース・ファイスさえも、現実社会の中で妥協していることを知り、ジミーは全て…

蜂の旅人

テオ・アンゲロプロス『蜂の旅人』1986 ギリシア/フランス/イタリア 122分 北ギリシアを蜜蜂と旅する老人を通して、人間の愛と老いを描いた作品。スピロは小学校教師を辞め、娘の結婚と同時に旅に出た。彼の家は代々、養蜂を営んでいたのだ。蜂に蜜を吸わ…

プロジェクタ

注文した液晶プロジェクタが届いた。今までは大きなスクリーンでDVDとか観たいときは職場の会議室でこっそり上映会をやっていたが、やっぱり自前でプロジェクタが欲しいなと探しまわってみると、古めの機械ならけっこう安価に手に入る様子で、べらぼうに出力…

 逃げるアタランテー試訳37

白煙は水、緑獅子はヘルメスの金属、悪臭の水、大いなる術を成就さす三項なり ことのはじめより術の完成を支ふものに三つのことのあり 悪臭の水 雪白の水 緑毛の獅子 ここより他なる元素うみだす水は母のごときもの 賢き者なら識れよ 石をつくるの終わりで初…

Throne of Baal

ドラクエよりウルティマよりNECのPC88やら98でのWizardry1〜5だったからか、ひらけた野原を走り回るよりも、パーティー構成でダンジョン探索というじっとり緊張が大好物で、指輪物語はモリアが最高だったりするわけで、だからIIよりIのDiabloをBttleNetで…

諸怪志異3・4

蒲松齢『聊斎志異』の精神はもう踏襲されないのカナ?諸星大二郎「諸怪志異」シリーズ3『鬼市』4『燕見鬼』は、もともと中国怪奇短編集みたいな構成だった1や2とは違って、仙道の大家五行先生の弟子「阿鬼」が、『西遊妖猿伝』の悟空くらいの少年に成長…

●テオ・アンゲロプロス『霧の中の風景』1988 ギリシア/フランス 125分

まだみぬ父を求めて彷徨う姉弟、うらさびれたギリシアの街、暗い海や空の風景、怪物のような巨大機械、海中から現れる石像の手が彼方を指す・・・そんな印象的な絵の数々が、はじめてアンゲロプロスの映画を観たときからずっと、かれこれもう10年くらいも脳…

●衿沢世衣子『向こう町ガール八景』

雨の合間にのぞきでた陽光を逃さず外出、シャツいちまいでバイクに乗れるのはココ最近では珍しく壮快だが、けっきょく入るのは本屋さんなのでまたじめじめ日陰ゾーンにどっぷりという流れが避けられない。気付いてみれば新刊が揃いのいい本屋ってのもあんま…