ドナム・ディ 第9章

つづき・・・

第九章 暗黒より十全に浄化され、乳汁の色のこす水なり。闇のなかにはとりどりの色彩が現れる。
己の羽翼を喰らっては、時期に応じて様々な仕儀に次々と異なる色彩を見せる龍は色から色を変転し遂に白色に至る。いとも荒々しく獰猛なる獣は、渇き飢えている際に決して満たされることはない。汝識れ、三日の欠乏状態の後にようやく龍は生まれるのであり、その住処は真の死そして闇という暗黒と暗闇である。その暗き海を飛び渡り、そして龍は巣穴を塞ぐ《嫡子》の眩き光から飛び立ち、かくしてわれらの死せる様相は去る。王は焰より来たり婚姻を享受する。隠されしものは現れ、処女の乳は白化され、胎動せしわれらの児はいまや汝の炎にも染色素にも打ち克ち、これを馴致する。




暗き家。哲学者の硫黄。
此処にて龍は黒化よりすっかり清まり、乳汁のごとくに白くなる。