辞書ブラウザ

下記のエディタと時期を同じくして導入し、これまた長い付き合いだった「Jamming」。名にし負う電子辞書ブラウザである。これがまた最近、後継の「Logophile」が発表され、役目を終えつつあるのだ。
TOLLE ET LEGE 屋根裏の備忘録 Logophileを使う
虹色の林檎はどんな味? 電子辞書ブラウザ「Jamming」の後継アプリ「Logophile」がリリース
伊奈の里から 突然の新リリース!
MacWiki 辞書ツール
辞書の閲覧もやはりCocoaアプリの方がスムーズ。しかしこうなんでもかんでも要Cocoaなので買い直し、というのもアレなのでちょっと身の回りをみつめなおしてみると…
じつはEP-WING形式の辞書はけっきょく「リーダーズ プラスV2」が基本で他はほとんど使っていないのだった。とはいえ、いままで全然シカトしていたがLeopard標準の「辞書」アプリケーションにはなんと『大辞泉』『プログレッシブ』『類語例解(小学館)』その他もろもろが揃っていて愕くほど充実。それから日本語環境もATOK2006とこれまた古いが、アクティブであれば『明鏡国語辞典』『ジーニアス』『類語辞典(角川)』が使えるので、こういうのを忘れていては勿体ないなと思う。

調べてみるとLeopard「辞書」でEP-WING辞書を使う方法がある。これはかなり魅力的だが、けっこう大変そうなうえにどうも完全ではない様子で、さらに言えば、JammingやLogophileの機能、とりわけ「成句を調べる」とか「語尾修正」とかも同じように実現できるかどうかまでは判らない。うーん、電子化された辞書を好みの環境で使おうとすると、とたんにこういう大変な話になってくるものだ。今や辞書というものは、なにかの機能の付属として、何かしらどこかに「バンドル」されるというカタチが基本になりつつあるのかもしれない。

そういえば、いわゆるポータブルの「電子辞書」にはいらぬ辞書(や辞書的な書籍とか)が多すぎるし、ああいうチャチな液晶も操作性も、どうせ「たまにしらべる」くらいの動作しか想定していない機械だろう。だいたい、これだけフラッシュメモリ媒体の発達した世にあって、記憶させる辞書や表示の形式を選択できない構成のガジェットなぞは、それが1万円でも高すぎると思う。こういうところはおそらく、辞書をこれからどうやって売ってゆくかという出版社の、電子化をめぐる過渡期の現れであろうが、いかんせん過渡期が長い。なんだかそういう画策めいたものがいちばん濃厚なのが電子辞書の領域、っぽく感じる。昨今じゃあ携帯電話のメモリですら、数種のEP-WING辞書を格納することは出来る。

最近は、webのあちこちにあるあらゆる「辞書」や「検索」を串刺しにできる「DictJuggler」というのも試してみている。表示中の書類を読みながら1クリック動作でweb上の複数辞書リソースから(というか、もはやweb全体をひとつの巨大な辞書として想定し)ドバドバと調べてくれるというもので、ならば手元の辞書データもまたここで統合できるのではないか、と思って使ってみた。ところが昨今のタブブラウジングに慣れた目では、閲覧辞書ごとに開くウィンドウはちょっと耐え難いスペースの無駄。そのうえwebブラウザと同様の表示なので、サイトの広告など不要な情報までドバドバ表示してしまうハメになる。これではちょっと、一般的なwebブラウザとの違いがわからないことになる。手持ちの電子辞書にも配慮されていて、jamming、LogoVista系、英辞郎を援用できるが、あくまでもそのアプリを開くのみで、リソースとなる辞書データを直接扱えるわけではない。まあ、一般的な辞書の枠に囚われずwebを使ったひろい言葉の検索をする、という視点をあたえるものとしては重宝するソフトかもしれないが、いまのところまだちょっと、辞書サイトを普通にブックマークしておく以上のメリットは感じない。
Web辞書を使いやすくするDictJuggler
モノマニア DictJuggler(ディクトジャグラー)ー串刺し検索
FireFoxアドオン mid 0.9.6.3 : オンラインの辞書サービスを利用したタブ型の辞書ブラウザ。調べたい単語を入力した後様々なサービスの検索結果をタブで切り替えて見ることができる。


うーん、やはりjammingを終えて、Logophileを買い直すべきだろうか…。(2008年1月1日以降にJamming for Macintoshを購入した場合は無料、それ以前に Jamming for Macintosh ver3.0 以降を購入している場合は1980円だそうです。)