闇より迸る光

第3回(最終回)第3歌 I 〜X

I 嗚呼、汝。術によりて金を造らんとする者よ。汝らはいつも 焼けた炭の炎にまかれつつ、際限のない策を弄しては、 あれやこれやのまぜものを 固めたり、溶かしたりしている。 あるときは完全に融解させ、またあるときには端々を凝固させ、 灰まみれの蛾のよ…

第2回 第2歌 I〜V

全部で第1、2、3歌です。以下は第2歌I〜Vです。 I ヘルメスの学問に精進せず、欲深い邪念にとらわれては、 言説の調子にふりまわされて過誤を犯す、輩のなんと累々たることか。 水銀やら金やらの、俗なる呼び名をうのみにしたまま、 作業に就いてしまう…

第1回 第1歌 I 〜VII

ヘルメス叢書の最終刊『闇よりおのずからほとばしる光』の既訳を参考にしつつ、『黄金の鼎』から解放されて(?)2008年末をわりと気ままに。 原題 La Lumière sortant par soi-même des Ténèbres は、ファーガソン・コレクションには1688年パリ刊行のものが…