錬金術師になりたい?

最近はもうだいぶ減ってきましたが、「錬金術を勉強したいんですが、どういう本を読めばいいんですか? どういうところで勉強できますか?」・・・という質問がたまに舞い込んでくる。・・・いえ、かまいません、なんでも聞いて下さい、私でわかることでしたら、なんでもお答えします(汗

まあ、こどものころにワイヤーフレームの画面を睨みながら方眼紙に地図を書き書きWizardryやらに精を出していたような人間にゃあ、なにも偉そうにいえることはないのですが、それでも、しかし、昨今の漫画や児童文学や古典ファンタジーの映像化やらには、ちょっと安易じゃござんせんか、という気持ちが拭いきれねえ、んです。

ですから、あんまり〈ホムンクルス〉をつくりたいとか〈等価交換〉がどうとか〈ロイエド〉がどうとか死んだ弟をゴーレムみたいにしたいとか〈魔法学校〉に入りたいとか〈マンドラゴラ〉を育てたいとかドラゴンスレイヤーとか村正とかが欲しいとか言わないで欲しいですし(汗 インターネットだからって、あんまり方々にそういう怪しげなことを言って痛々しい姿を晒さないでほしい、わかくするどい感受性は大事にして、その感受性ゆえに傷つくことは、少なくてイイと思います。

でもあれだな、魔術や錬金術に詳しくて、いろんな知識がある、なんて、ちょっとカッケーんだよな。

だから、誰かに知識を披露したくなる。あ、あたしも同じだ、いつのまにか、自分のことを書いてらあ。しかし、錬金術なんかに詳しいよりゃずっと、わかい感性もってることのほうが価値がある、そのほうが、錬金術の極意に近いきもする。んで、錬金術には、そういうことはできませんよ、とかいわれても〈じゃインチキだ〉〈やっぱり存在しないんだ〉と簡単に背を向けないで欲しいですね。

にわとりを、たまごの製造機械だなどとは、思わないように。
これも、錬金術の格言でゴザイマス。

・・・時代が時代ですし・・・内容が内容ですから
「コレが基本!」とか「マスト・アイテム」とか「〜も読んでねえくせに〜を語るな」とか、さも自分の読んできたモノだけが大事な書物であるように言い張るひともけっこういるみたいですけど、そういう類の態度は、ホムンクルスを本気で作りたいなんていう「研究」態度とさして変わりはないように思えます。「〜せねばならぬ」ということは単体で言えることではなくて、その前に「〜したいのなら」がくる。

怪しげな方向にある魅力、鋭くて恥ずかしげもない感受性は、それじたいが、何も学ぶ必要のない「魔術」「錬金術」を可能にするもので、なにか見てなにか感じてりゃあもう錬金術ですから、コウでなけりゃイカンということはない。一個の人間、うまい飯を食ってそれを消化するプロセスひとつとっても、排泄まで含めてこれはもうみごと美しき錬金術じゃあござんせんか。

錬金術それ自体を学びたい、これは、ひじょうに難しいことですね。

パソコンを使えるようになりたい人が、多分、OSのことばかり勉強させられたら、「で?」って疑問を感じるでしょう。錬金術なんて、OSよりもずっとオオマカなバイアス概念かもしれませんから、やはり、なにかしらのアプリケーションを使う「必要」がまずあるかもしれない。

・・・ぜんぜん読むべき本とか、紹介しねえのな、あたし。
そういうの、さっさとおしえて上げる方が、ながく説教クサイ話をきかせるよりずっと良心的な気もしてきた。
・・・長くなったのでソレハマタノキカイニ御免ナスッテ(汗