ドナム・ディ 第4章

下(2・3章)に見たような男女のマグワイばかりではなく、あらゆる出会というものは、すぐに現れる歓喜や人事的効果を一定期間に終えると、かならずや腐敗し始めるものなのか・・・価値あるものであればこその、腐敗なのか。重要なのは、そこから流動的な内面を経て昇華のプロセスを経て、円熟した関係を実現させてゆくことなのかもしれない。ゆめゆめ表面的な社交辞令的つきあいばかりにならぬよう注意せねばならぬ、のか・・・あらゆる出会いも昇華せしめるホスティング能力みたいな力ってことになるとコレはもう才能論なのかな。そんな「染色素」を持っていれば、起こりうるどんな事態も打開できるだろうになあ。・・・ムウ、あんまり暑いんで愚痴っぽくなった。

第四章 ここに生起する哲学の腐敗、それと見えねど硫黄と呼ばる諸元素の特質を変換させよ、さすれば汝望むところを見出さむ。われらの術に於いて性質を転ずることはすなわち物質を霊気へと化すことにひとしい。初めにわれわれは油状の水塊をつくりだすことで、下なるものを上なるものになさしめるが、それは物質は溶解して霊気の性質となるからで、そうしてそれらは、水と混ざり合う水のごとく、決して離ればなれに分かたれることはなくなるのである。まったくもって物質操作のすべては、われらの要するすべてを恒久に内に秘めたる水を得るに掛かっている。ゆえに、良き作業の礎たる水をこそまず採るべきであり、其れは白を白にし赤を赤にし、じしん肉と魂を持つものである。溶媒あるいは石灰、四元素、こうしたものに支配力をふるうものは、その性質にそぐわぬ要素からは成立するはずもない。





哲学者の腐敗は、眼もあやに輝ける鴉の頭なり。

ここに存するは腐敗状態の物体。そは黒き土塊より成る。汝、その混成物質が黒化するを観察せしとき、其処に始まる作業の開始をば悦ぶがよい。かかりしこと腐敗に欠くべからざることなり。