第1回 単行本ベースの資料

■象魚 1994 10/5 初版 青林堂
《目次・初出》骨 1993ガロ7月 人参 1993ガロ4月 マナティ 1993ガロ2・3月 金魚 1990ガロ10月 耳 1990ガロ11月 影 1990ガロ11月 隕石 1990ガロ11月 鯉(夏の日の鯉) 1990ガロ1月 動物園 1990ガロ6月 四コマ漫画 描き下ろし 象魚 1990ガロ5月 血痰処理(女工) 1989ガロ12月 窓の外はドブ溜め 1991ガロ4月 うおのめ 1994ガロ7月 天気よかった日 1994ガロ3月 清称帯我到医院去 描き下ろし □作者本人によるあとがき
Amazon:逆柱いみり『象魚』(古書)

※エッセンスの濃厚な初期作品、短編集。入手しやすい版から入門して好みが合うならば何とかして手に入れておきたい1冊だが、一般的な漫画読者には理解しかねる値段で取引されている。


■馬馬虎虎 1997 5/15 初版 青林堂
《目次・初出》アメリカ 1995ガロ3・4月 うに 1995ガロ5月 ユウレイ 1995ガロ6月 肉称八輩祖宗 1995ガロ7月 ケキャール 1995ガロ8月 ミーラビワ 1995ガロ9月 道楽者の海 1995ガロ12月1996ガロ1・5月 土竜刺器 描き下ろし □HorseHorseTigerTiger SAKE JOCK(Fantagraphics Books)
Amazon:逆柱いみり『馬馬虎虎』(古書)

※エッセンスの濃厚な初期作品、短編集。入手しやすい版から入門して好みが合うならば何とかして手に入れておきたい1冊だが、一般的な漫画読者には理解しかねる値段で取引されている。


■ケキャール社顛末記 1999 11/15 初版 青林堂
□解説・花くまゆうさく
Amazon:逆柱いみり『ケキャール社顛末記』(古書)
※作者初の長編漫画。夢ありアクションあり、内容の展開もわかりやすく、逆柱的世界はそのままに、かなり一般的にも楽しめる内容になっている。スター・システムからなじみのキャラクターも沢山でてくる。好きな人なら何度でも読める一生モノになりかねないので、納得できる値段で購入できれば是非とも手元に置きたい逸品。




※上記3作、逆柱いみりの初期作品は雑誌『ガロ』を出版していた青林堂から出ていたものだが現在ガロは廃刊、青林堂は存在せず、青林工藝社への「移行」にあたっては穏やかでない経緯があるので、復刊はかなり難しい状況にあるのではないかと推測される。古本屋や古書屋などをマメに調査すれば意外に廉価に入手できるかも知れないが困難を極めるだろう。Amazonのマーケット・プレイスでも購入はできるが、4000〜5000円、あるいはそれ以上で高価に取引されている。

WikiPedia:逆柱いみり
漫画雑誌『アックス』編集長 青林工藝舎・社長 手塚能理子氏インタヴューなど
復刊ドットコムの該当頁


■ネコカッパ 2002 7/20 初版 河出書房新社 九龍COMICS
おつかい 金魚 窮奇温泉 岩助劇場 TIKi ROD 首長翼龍 クソボス クルマってえやつを見に行くのさ
□松尾すずきの絶賛オビ付「驚異の描き下ろし単行本!逆柱いみりの超奇想世界!『この漫画は面白い!それ以上にこの絵柄で『売れたい』という!そんな逆柱さんがおもしろい!』地獄と極楽と過去と未来が混在する、奇才・逆柱いみりのワンダー・ランド。新キャラ『ネコカッパ』の目から見た、世にも不思議な物語!」
Amazon:逆柱いみり『ネコカッパ』(絶版)
※旧作のおさらい要素が強いので『象魚』や『馬馬虎虎』があれば無理に探さなくてもよかろうと思う(というかコレを探す体力と時間とお金があれば是非とも『象魚』『馬馬虎虎』を入手すべきである)。旧・青林堂の出版物は背景にある事情からいって高価な値段がついているのは納得できるが、この『ネコカッパ』にまで4000円からの値段がついている(マーケットプレイス)のは上3作への便乗だろう、一般的な古本屋でもまだ探せばあるだろうし、絶版になっている単行本の中では再刊の可能性が最も高い1冊ではないだろうか。



■赤タイツ男 2004 10/31 初版 青林工藝社
赤タイツ男・伸縮自在 箱の男 地底人エマニエル □解説・唐沢俊一
Amazon:逆柱いみり『赤タイツ男』
※現行品で入手しやすい点から入門にはちょうどいいかもしれないが、内容的にはかなり純粋に「逆柱的」なので、これを初にして離れてしまうのはもったいない気がする。また、作者初のこころみも満載なので、従来に加えて「非一般的」なところは強いと心得るべき。





■はたらくカッパ 2005 4/30 初版 青林工藝社
 初出『アワーズ・ガール』No2(2001.3.2)~No4(2001.9.2)『今市子 大総集編』(2001.12.2)少年画報社 □写生文・手塚能里子「血族―みんな夢の中―」
Amazon:逆柱いみり『はたらくカッパ』
※『ケキャール社顛末記』のあと満を持しての長編漫画。よくあるストーリィ漫画に飽きた脳が、おかしなもの、へんなもの、旅情、海、深海、伝説を求め、さらにエロ味やグロ味にちょっと耐性があれば素敵に楽しめる1冊になるだろう。現代の逆柱いみり入門。



>>逆柱いみり試論
 >第1回 単行本ベースの資料
 >第2回 『象魚』について
 >第3回 『馬馬虎虎』について
 >第4回 『ケキャール社顛末記』について
 >第5回 『ネコカッパ』について
 >第6回 『赤タイツ男』について
 >第7回 『はたらくカッパ』について
 >第8回 キャラクターについて

青林工藝舎HP
こういうのもあったらしい『夢之香港旅行』