錬金術逍遙譚

ミハエル・マイヤー編纂の『黄金の鼎』、その一角をなす『院長クレマーの告白』ですが、第1回の冒頭に錬金術逍遙譚がありました。勢いづいて『太陽の光彩』巻末にあるトリスモシンの冒険も掲載したりしていた矢先。久しぶりに入った新刊書店でGETした「これから出る本」をぺらぺら捲っていたらとんでもないモノを見つけてしまったぁ、どうしよう(銭形風)

マイケル・スコット/橋本恵訳『アルケミスト錬金術ニコラ・フラメル理論社

キャッチはアブラハムの書をめぐる怒濤のファンタジーだそうです(爆)
そんな、ヤングアダルト向けのゴホンが11/24発売だそうです。
リンク先、出版社のサイトなんですが、これまた力の入ったフラッシュが感動的。
もうね、ローリング女史の「慌ただしい陶芸師」のアトガマを狙いまくりだ。
しかも全6巻の予定? 映画化? 恐れ入ります。
カップリングの老舗タガメ錬金術師がやっとこのところ目につかなくなってきたと思ったら、こんどはTVだのお子様たちからフラメルフラメルいう声が聞こえてくる日々がやってくるんか……ナンカモウ勘弁してほしぃや。

なんだろうな、いいんですよ子供は。どんなものからでも感性はぐくみますからね。
しかし昨今では「陶芸師」の刊行でもそうなんですが、もともと子供に向けて発信されたものを、大人になりきれん大人たちが蹂躙するように熱狂する姿があって、それにヒドく違和感を感じるです。こういうのは特にデ○ズニー・ラ○ドとかで変化著しい。10年も前のランドはたしかに夢と魔法の王国だったかもしれんが、今はもう無理矢理に癒しを求めるような痛々しいムードに満ちあふれていて、東京でもっとも近付きたくない空間のひとつになってしまった。そういう、無理に夢を見ようとする惰眠にも似た不潔な寝床が新たに現れるのはドウモあんまり快く認められないなあ。コチトラ小池寿子氏の本でも大騒ぎだったっつうのに。
でもあれだ。真っ当に「三国志」が好きな人は、錬金術関係より最近もっと痛々しい気分だろうなあと察する。