2007-01-01から1年間の記事一覧

ドナム・ディ 第10章

つづき・・・。 第十章 容器中の水の上、黒雲が如何にしてその由来する物質へと溶解するか。 黒を見出すべし。黒よりもくろく、多種多様の色彩がその中より現れるであろう。処女の乳は白くなり、そしていま蘇るわれらの《嫡子》は火の征服者となり、染色素に…

ドナム・ディ 第9章

つづき・・・ 第九章 暗黒より十全に浄化され、乳汁の色のこす水なり。闇のなかにはとりどりの色彩が現れる。 己の羽翼を喰らっては、時期に応じて様々な仕儀に次々と異なる色彩を見せる龍は色から色を変転し遂に白色に至る。いとも荒々しく獰猛なる獣は、渇…

ドナム・ディ 第8章

第八章 暗黒の中に生まれた龍が《水銀》で養われ自らを殺しまた溺れ、水が白味を帯びゆくさまについて。 金は溶解してその原初の物質へと還元されるが、それはまことに硫黄と《活ける水銀》に相違ない。だから物質をそうしたものに変換せしめれば、われわれ…

ドナム・ディ 第7章

第七章 如何にこの土塊が水、ふたたび色油と溶解されるか。それは哲学者らの油と呼ばれる。 ここでは、石が黒化するにどのくらいの時間を要するか、また黒化が現れたときの誠の石の溶剤たりえるものは何なのか、ということが眼目であるが、それが腐敗のあり…

ドナム・ディ第6章

つづき・・・。 諦めちゃいけないのは判るが・・・道は遠そうだ。 第六章 如何にしてこの黒き土塊の、まず水の上に現れそして漸次、深みへと滲むか。物質が濃厚な蝋状へと固まり、泥状に沈殿してゆく様が観察されるにつけ、水のうえにあった濃度は少しずつそ…

ドナム・ディ第5章

つづき・・・ 第五章 此水のほとんどは、黒くけがれたる土塊より成る。 それゆえ鶏が卵を育むような緩やかな火にてわれらの黄銅を暖めよ、やがてこの組成物質より染色素(ティンクトゥラ)が抽出されるが、そのすべてを一時に抽き出そうとしてはならない。日々…

納涼、妖怪&幽霊リンク

『山海経』の妖怪画をコラージュの材にする逆柱いみりのような漫画家が、どうして錬金術寓意から題材を得ないんだろうという疑念がフとよぎるが、そんな繋がりは見えずとも『象魚』『MaMa-FuFu』『ケキャール社顛末記』から、さいきんでは『赤タイツ男』やら…

ドナム・ディ 第4章

下(2・3章)に見たような男女のマグワイばかりではなく、あらゆる出会というものは、すぐに現れる歓喜や人事的効果を一定期間に終えると、かならずや腐敗し始めるものなのか・・・価値あるものであればこその、腐敗なのか。重要なのは、そこから流動的な…

ドナム・デイ 第3章

第三章 いかにして肉体が水へと溶解しそれが新しき肉体となるか。 われらの石は罪を負って静謐に胎動する物質であるがゆえ、異物を受け容れない。これはただ従順かつ妖艶なる妹とのみ結合し、其等の間に術は始まる。識るべし、しろき女があかき男と結ばるれ…

ドナム・デイ 第2章

・・・つづき。 第二章 いかにして物体が哲学の活ける銀へそして水へと溶解されるか石の素材になるのは鈍重な水剤であり、あるいはそれは水を凍らせるほど冷たい。そうした石というものは他のいかなる場合よりも動物的(肉体ある)なところに生じるものが貴…

神よりの賜物(ドナム・デイ)The 'Donum Dei'

プレティオシシマム・ドナム・デイ、すなわち『いとも貴き神よりの賜物』の翻訳進行中。15世紀あたりからヨーロッパ各地で翻訳されて、じつに60種ちかくの版があるらしい。ざっと読んだところでは、よくある錬金術の格言のおさらいではあるものの、後半で「…

会田誠『ミュータント花子』

で、おなじ反戦(?)ものとして並べてしまってはブチコワシ気味になってしまうだろうけど会田誠『ミュータント花子』をちょうど、ちょっと前にフランス語版で読んでヘンに感動したのを思い出し。猛烈なエロ&グロのオンパレードはいやまったく気持ちのいい…

こうの史代『夕凪の街 桜の国』

窓を開ければまだ涼しい風のはいる午後なら、こうの史代『夕凪の街 桜の国』を読んでみるにちょうどいい。カバー背や帯にやたら感動的な推賞文がついていて(第9回手塚治虫文化賞、第8回文化庁メディア芸術祭大賞)、どうやらヒロシマ原爆ものなのはわかる…

サクラ大戦「光武」

セガ・サターンの時代からその存在と盛り上がりは知っていながらついに手を出すことの無かったゲーム、サクラ大戦だが、光武つーのはイカしてるよなと。んでだいぶ前からやってみたかった光武のいわゆる「ヨ式」塗りマシーネン仕様。ところが先日、横山宏氏…

郵便配達夫は二度ベルを鳴らす

ノルシュテインで寝るつもりが、なんだか目が冴えちまったのでサスペンスでも観ようと、ひとから預かっていた旧いほうの『郵便配達夫〜』を観ることにする。ジャック・ニコルソン好きであの怖い演技をさんざん観て笑っていたころにM・ケインの世界があんま…

ユーリ・ノルシュテイン短編集

いわずとしれたロシアの映像作家によるアニメーション短編集。なんか綺麗なモン見ながら寝たいなとフト思いDVD再生しながら悦に入るのが最高。購入当時は、とにもかくにも『霧に包まれたハリネズミ』とか『愛しの青いワニ』を見たかったので、それ以外の作品…

マシーネン・クリーガー Wave製A.F.S.mkII

Waveから出たルナポーンの別版AFSmkIIを作り出す。 最近の模型技術スナップフィット、その効果は如何にと接着剤抜きで組み出すが、すぐに強度不足になると気付く。 ちょっと間接の角度を帰るとパリリと剥がれてしまう。動かさねば問題はないがポリパーツどう…

マシーネンクリーガー Wave製LunaPawn

数年ぶりにMaschinenKriegerモノを購入、一気に作った。とにかく組みやすいキットです、ただ接着剤いらずの「スナップフィット」ってのは頼っていい技術なのかよくわかんないんで、やっぱり接着剤はまめに使ってしまう。よくできたキットで扱いやすいのはい…

ALWAYSー3丁目の夕日

たいして興味もなかったが、なんだか話の展開上で持たされちゃったDVD『ALWAYSー3丁目の夕日』を見ることにする。戦後昭和のなつかし風景の押し売りは結構辟易するものがあるが、俳優の存在感がなかなかなのでまあまあ楽しめた。薬師丸ひろ子のお母さんがイ…

溺れる王の寓意

『逃げるアタランテー』釈義31〜40を本家サイトにアップした。 ブログ引越のどさくさで、頻出する「溺れる王の寓意」の代表選手『デュネク王』がどっかいっちゃったんで再アップ。やっぱり黒の過程から脱するには、サウナがいちばんなんだろうか?『逃げる〜…

 21と22の象徴と講話について思うところをだらだらと

21《男と女の外接円、ここから四角を三角を、さらには円をなぞれ。かくして汝、哲学の石を得ようぞ。》 数理的な哲学を巡るプラトンとアリストテレスの対置構造が簡素に述べられている。他の講話を読んでも分かるように、マイヤーは古典ギリシアの自然哲学か…

再掲載の邦訳錬金術文書について

以下の文書は作業終了。 ■『ヘルメス文書』Corps Hermetics「ポイマンドレース」朝日出版社の『ヘルメス文書』って復刊しないのかな?読みやすくて註が頁ごとにしっかりついてる好い本なんだけどもなあ。その分ご苦労も多かったのか、訳者の方があとがきで共…

 本家サイトの改築工事

少しずつ進行中。いくつかの既訳の錬金術文書を再掲載しました。・・・本当はまた一通りチェックを入れたいところですがキリがないので一旦公開、またの機会に細部を訳し直すことにします。「逃げるアタランテ」は全50講話全部だと容量が大き過ぎて何度もア…

引越

はてなダイアリーへの引越完了。 昔のウィザードリィみたいな画面だなー。